知って対策!今後覚えておくべき「監理銘柄」と「整理銘柄」

カブエ
「監理銘柄」と「整理銘柄」って、どんな銘柄なんだろう?
何だか特別感があるから手に入れてみたいなぁ♪

カブラバ先生
確かに特別感はあるのかもしれませんが…
あまり良いイメージはないので、手に入れない方がオススメですねぇ。
上場企業や投資家達に関わる言葉の1つに「監理銘柄」と「整理銘柄」があります。
まぁ知らない人からすると"何だか特別感のある銘柄"のように思えるかもしれません。
でも上場企業や投資家達からすると、あまり良いイメージはないものだったりするんですよね。
そこで今回は『知って対策!今後覚えておくべき「監理銘柄」と「整理銘柄」』と題して、これらの意味や与える影響について知っていきましょう。

監理銘柄と整理銘柄ってどんなもの?

監理銘柄整理銘柄はどんなものなのか?」ですが、これらはあまり良い意味では使われません。

どちらの言葉も、上場している企業に何かしらの問題が起こり、上場自体が危なくなった時に使われる用語なんです。

ここでは「管理銘柄」と「整理銘柄」、そして「上場廃止基準」について説明しましょう。

監理銘柄とは?

監理銘柄
上場銘柄が上場廃止基準に該当する可能性のある場合に、証券取引所によって指定される銘柄
監理銘柄には、上場廃止基準に該当してしまいそうな企業が指定されます。
事前に「この企業は上場廃止になる可能性があるかもよ…」と、投資家へ伝えておくのというものですね。
投資家からしても、企業が上場廃止する前に情報が出回った方が、準備もしておけますし、混乱や被害の規模を抑える事ができますよ。

整理銘柄とは?

整理銘柄
取引所の上場廃止基準に該当して、上場廃止が決まった銘柄
整理銘柄には、上場廃止が決定している企業が指定されるのですが…
ただ、「キミ、明日からもう上場廃止ね。」と急に廃止されると、その企業に投資していた投資家たちも取引所で売買できなくなり、不利益を被ってしまいます。
当然、急な出来事に企業も投資家も大慌てに💦
そんな事態を避けるためにも、指定から約1ヶ月間だけ市場での売買ができるようになっているんですよね。
もちろん、すでに上場廃止が決まっているので、高い株価での取引はできません。
要は、整理銘柄として指定されると、上場廃止されるまで一定期間(約1ヶ月)の執行猶予が付くといったところですね。

上場廃止基準とは?

ここで少し上場廃止基準について説明しておきましょう。
この記事で言う上場廃止基準とは、大きく分けて2つ存在します。
上場廃止基準

財務諸表における虚偽申告

取引所の定める基準を満たしていない場合

貸借対照表や損益計算書などの報告資料の内容が実際の状態と違う場合、上場廃止に追い込まれてしまいます。
たとえば、60億円しかない企業の売上げを100億円だと偽ったり、200億円の有利子負債を50億円だと報告した場合などですね。
まぁ、いくら経営が厳しかったとしても信用問題に関わりますからね。
嘘はイカンですよ、嘘はね。
あともう1つのケースとしては、取引所の示す上場基準を満たしていない場合があります。
企業は上場するにあたって、株主数や時価総額などいくつかの定められた基準を満たさないといけません。
これを満たしていないと、上場すらさせてもらえないワケですが…
もし上場できたとしても、経営が上手くいかなくなり上場廃止基準に該当してしまった場合、その企業は上場廃止となってしまいます。
まぁどちらも分かりやすい基準ですし、しっかり頭に入れておけば対策もとりやすいでしょう。

監理銘柄や整理銘柄に指定されると何が起こるのか?

監理銘柄や整理銘柄は、上場廃止になる可能性の高い企業が指定される銘柄というワケなのですが…
これらの銘柄に指定されると、一体何が起こるのか?
この事について触れておきましょう。

株主への影響は?

ここで監理銘柄や整理銘柄に指定された銘柄を保有している株主に目を向けてみましょう。
まずは監理銘柄ですが、「経営難で上場廃止するに違いない」とみんなが判断すれば、株価は下落していきます。
でも、「監理銘柄に指定される」=「株価下落」とは限りません。
他の企業が「この株式を買い取ります」と宣言して買い入れる株式公開買い付け(TOB)が原因で整理銘柄に指定された場合は、今よりも高い株価で買い付けする事が期待できるようになるので、株価は上がります。
このTOBについてはこちらの記事でも詳しく紹介していますよ。
次に整理銘柄はどうでしょうか。
株価は需要と供給の関係で決まるのですが、1ヶ月以内に価値が無くなる銘柄に需要は生まれません。
そのため、こういった銘柄の株価はどんどん下落をしていきます。
「少しでもお金に…」と思う株主は株を売ろうとしますが、二束三文での売買になる事が多いですね。
でもそんな中、一部の投資家はあえて整理銘柄を買い始めていきます。
"低価格になった銘柄を大量に購入して、わずかに株価が上昇した時に株価を売却する"といったキャピタルゲインを狙う投資家ですね。
ただこの手法はとても短い時間で大きな利益をあげられる反面、タイミングを間違えると大きな損失を生んでしまう可能性もあります。
これはもう投資というよりもギャンブルの要素が多いので、あまりオススメはできませんね。

上場廃止処分は企業次第で変わる!?

最初に、整理銘柄に指定された企業だと上場廃止が決まってから約1ヶ月間は市場に残るのですが、この一定期間が過ぎれば上場廃止となります。
これはもう決定事項なので、くつがえりません。
では監理銘柄に指定された場合はどうなるのでしょうか?
"上場廃止になる可能性がある企業が指定される"のが監理銘柄でしたよね。
そのため1度監理銘柄扱いになった企業でも、日本取引所グループが上場廃止する必要が無いと判断した場合は、その企業は上場したままになります。
ただし、気分的にはイエローカードを受けてしまっているような状態です。
2018年までは上場廃止になっても、非上場会社の銘柄を取り扱うグリーンシート銘柄制度というものがあったのですが…
グリーンシート銘柄制度が廃止になってしまった現在では、上場廃止になると銘柄を取引してもらえる市場はありません。
監理銘柄になった後も市場に残って、取引してもらえるかどうかはその企業次第。
上場廃止処分は、その後の企業の努力次第で変えることができるというワケですね。

まとめ

さて、今回は『知って対策!今後覚えておくべき「監理銘柄」と「整理銘柄」』と題して、これらの意味や与える影響について紹介しました。
この銘柄を知らない人からすると、「何だか特別な銘柄」のように思えるのですが…

監理銘柄:上場廃止基準にあたりそうな企業に指定される銘柄

整理銘柄:上場廃止が決定した企業が指定される銘柄

これを見る限り良いイメージはありませんし、企業や投資家に与える影響も大きいです。
でもこれらの事をよく知っておけば、ちゃんとした対策も取る事ができますよ。

カブラバ先生
株式投資をする時には、「監理銘柄」と「整理銘柄」の知識を忘れないようにしておきましょう。
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