資産運用の必要性は?世代別資産運用の考え方と運用前の基礎知識

カブエ
資産運用って、何で必要なの?
もし始めるのなら、どんな事から始めたらいいのか知りたいなぁ。

カブラバ先生
資産運用の必要性ですか…。
それなら、まずはそれまでの背景を知っておく必要がありますね。
社会だけではなく、学校の授業でも注目されてきた「資産運用」。
「何だか将来のために必要なんじゃない?」という漠然としたイメージを持っている人は多いと思います。
でも、"なぜ今、資産運用が必要なのか?""始める年代で、どのような運用が最適なのか?""運用前に知っておかないといけない事はあるのか?"という事をハッキリ言える人って、そうそういませんよね。
そこで今回は『資産運用の必要性は?世代別資産運用の考え方と運用前の基礎知識』と題して、"どうして今、資産運用を始めるべきなのか?"など詳しく紹介していきましょう。

資産運用の必要性

皆さんもすでにご存じでしょうが、2022年4月から高校の家庭科や公共の授業の中で「資産形成」の内容にも触れられるようになりました。

これは「資産形成」という話が、私たちの生活の中で重要になってきているという事。

そして、自分たちの大切なお金を超低金利の預貯金にずっと眠らせるのではなく、それを元手として積極的に運用していく「資産運用」が必要になってきたという事ですね。

でも、どうしてそんな学生のうちから「資産形成」や「資産運用」の事を学ぶ必要があると言われ始めたのでしょうか?

時代を少しさかのぼって、そうなった背景を見ていきましょう。

貯蓄でお金が殖えていた時代

高度経済成長期を迎え、日本が先進国へと駆け上がっていた「昭和」の時代。

お年玉をもらっても「無駄遣いしないで貯金しなさい!」なんて親に言われ、銀行や郵便局に預けていた人も多かったのではないでしょうか?

それもそのはず。

この頃の「貯蓄」と呼ばれるお金は、高い金利のおかげで「ただ預けているだけ」なのに、約10年で2倍近くも殖えていっていました。

銀座で豪遊、いわゆるバブリーな言葉が流行ったのもこの時代。

まさしく、順風満帆な経済情勢だったと言えるでしょう。

迎えた超低金利時代

ところが90年代に、状況は一転します。

バブル経済は崩壊のため、地価や住宅価格の急落などにより不良債権が拡大し、大手金融機関も次々と破錠に追い込まれる事に。

戦後初のマイナス成長を余儀なくされ、日本銀行はゼロ金利政策を慣行。

これ以降、低金利時代の幕開けとともに、金融機関へ「ただお金を預けているだけ」では、貯金は増えなくなってしまいました。

 

日時 平均年利率等(年%)
2006 0.2
2008 0.05
2013 0.02
2017 0.001
2021 0.001

日本銀行のデータに基づいて作成

 抱える将来の不安

こうした低金利時代に加えて、気にかかるのは将来の「年金」の話。

そもそも日本の年金制度は、基本的に今の現役世代から集めた掛金を今の年金世代に渡す仕組みになっているんですね。

ところが日本では「少子高齢化」が急速に進んでいるため、現役世代が減っていき、年金生活者を支える事が難しくなってきています。

20~64歳人口の65歳以上人口に対する比率
2015年 2040年 2065年
人口比率 2.1(約1億2,710万人) 1.4(約1億1,092万人) 1.2(約8,808万人)

※「日本の将来推計人口」をもとに作成

しかも老後の時間が長くなってきているので、老後の生活費を年金だけに頼るのは難しいと言わざるを得ません。

実際、老後の生活について不安を抱える人は、どんどんと増えてきていますね。

自分の将来を自分で考える時代へと変化

「貯金だけではお金は増えないし、老後の生活を年金だけに頼るのも不安…」

こういった時代でも、結婚や子供の誕生、住宅の購入、子供の教育、老後…といったお金のかかるイベントはあります。

たとえば、婚約・結納から新婚旅行までにかかる「結婚費用」の平均は494万円

幼稚園から大学まで「子供1人にかかる学習費」は全て私立に通った場合で2500万円程度

「夫婦2人がゆとりのあるセカンドライフを送るために必要な生活費」の平均は月額約36万円、といった調査結果があります。

だからこそ「いつ頃に、どんなイベントが待ち構えているのか?」「このイベントにはいくら費用が必要で、その費用をどうやって用意していくか?」を考え、それに備えてお金を作っていく「資産形成」の必要性が増してきているワケなんですね。

つまり、自分の将来を自分で考える時代へと変化しているんです。

そして大切なのは、お金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、そのお金を元手にしてお金を殖やす「資産運用」の考え方です。

要は、"自分のお金に働いてもらおう"という事ですね。

世代別資産運用の考え方

資産運用の方法は、個人の年齢やライフステージによって異なります。

ここでは、それぞれのライフステージに合った資産運用の考え方を見ていきますね。

若い世代

若い世代は、収入がさほど多くない代わりに、自由に使えるお金の割合はかなり高い時期です。

ただ、これを全て使い切るのではなく、いつか必要になるであろう結婚資金や住宅購入費などの将来に備えた資産作りを心掛ける事も大切

若いうちから運用を始めれば、長期的な運用も可能ですし、ある程度のリスクがあったとしても積極的に値上がり益を狙う投資信託を選ぶ事もできます。

この世代でしっかりと資産形成できているかどうかで、この後の展開が大きく変わってくると言っても過言ではありません。

働き盛りの世代

働き盛りの世代は、子供の出産や教育・住宅ローンの返済など支出が多い時期です。

毎日の支出に追われがちなのですが、子供の将来や自分の老後のための準備も忘れてはいけません。

そのため、資産を効率的に殖やす工夫が大切になります。

特に、安全性を重視して長期的に殖やす投資信託を組み合わせる事をオススメしたいですね。

セカンドライフが間近な世代

セカンドライフ間近の世代は、仕事的にもそれなりの地位に立ち、子供の育児や住宅ローンなども落ち着いている時期です。

仕事を退職した後も限られた年金収入と貯蓄で、より充実したゆとりあるセカンドライフを送るために、資産を安全に管理していく工夫が大切です。

毎月の生活費やレジャー・趣味などの必要資金を把握して、そのうちの余剰資金から安全性を重視した資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。

資産運用と投資信託をする前の基礎知識

それでは資産運用の必要性が理解できたところで、事前準備として資産運用と投資信託をする前の基礎知識を身に付けておきましょう。

資産運用を始める前に確認しておく事

カブラバ先生
資産運用を始める前に確認しておく事として、まずは手持ちの資金を使うタイミングで分けてみましょう。

 

すぐにでも使う必要のあるお金は預貯金でキープしながら、当面は使う予定のない余剰資金を運用に回す事がポイントになります。

少し質問形式にして確認しましょう。

すぐにでも使う可能性のあるお金は?(生活費・不意の出費に備えるお金)
すぐにでも使う可能性のあるお金は、すぐに換金ができて安全性の高いものに投資するのが良いです。(普通預金やMRFなど)
数年後には使う事が決まっているお金は?(結婚資金・住宅資金など)
収益性と同時に、元本の安全性の高い投資をしてみるのが良いです。(定期預金・個人向け国債・公社債投資信託など)
当面は使う事がないお金(セカンドライフに備えた資金など)
遠い将来に使うお金については、たとえ投資が思うようにいかなくても挽回のチャンスがあるので、高い収益が期待できるものに投資していくのが良いです。(株式・投資信託など)

数%の利回りが、数年後には大きな差になる

資産運用の考え方は、複利の効果と切り離す事ができません。

カブラバ先生
複利とは、運用の結果の利息分を再び運用に回して利息を得る方式の事です。
元本のみに利息がつく方式は単利と言います。
たとえば、100万円を年利5%で運用したとしましょう。
すると20年後には、単利で運用した場合には200万円にしかなりませんが、複利では約265万円になるワケですね。
この単利と複利では運用の年数が長いほど、その差は広がっていきます。
数%の利回りでも、数年後には大きな差になるんですね。

投資信託で始める資産運用

資産運用をする上で、欠かせないのが「分散投資」の考え方。
資産をある商品に集中的に投資した場合、その商品の値が大きく下がってしまえば、大きく資産が目減りしてしまいます。
これを防ぐために、資産をいくつかの商品に分けて投資する方法が「分散投資」です。
ただ、分散投資にはある程度のまとまったお金が必要なんですよね。
そもそも日本で上場している株式に分散投資をする場合を考えてみると、1つの銘柄だけでも数十万円くらいは用意しないと買えない銘柄がほとんどです。
そのため、複数の銘柄に投資しようと思うのなら、まとまったお金を用意しておかないといけません。

「もっと手軽に分散投資をしたい」という人には?

「もっと手軽に分散投資をしたい」という人には、投資信託が向いています。
この投資信託とは、少額から分散投資を行う事を可能にするための金融商品なんですね。
大きなお金を用意しないとできなかった分散投資が、投資信託だと1万円程度から行う事が可能に。
信託投資は、多くの個人投資家がお金を出し合って集まった大きな資金のかたまりの資金を「運用会社」と呼ばれる運用の専門家に任せる仕組みです。
某アニメ風に言えば「投資家のみんな、オラにちょっとずつお金を分けてくれー!
!」と言って、たくさん集まった資金のかたまりを運用会社に丸投げする、といったイメージですね。

カブエ
投資信託に投資をすれば、個人が出すお金は少なくても、大きな資金として投資をしたような効果が得られるって事なんだねっ♪
※投資信託について知りたい方は、コチラの記事で詳しく紹介しています。

まとめ

さて、今回は『資産運用の必要性は?世代別資産運用の考え方と運用前の基礎知識』と題して、"どうして今、資産運用を始めるべきなのか?"、"始める年代でどうような運用方法があるのか?"、"事前に知っておく事は何なのか?"を紹介しました。
この記事まとめると以下の通り。

資産形成の背景は、自分の将来を自分で考える時代へと変化したから

資産運用の方法は、個人の年齢やライフワークによって異なる

資産形成を行う前の基礎知識はしっかりと身に付けておく

もっと手軽に分散投資をしたいなら投資信託がオススメ

資産形成が注目されている今、どうやって始めていけばいいか分からず、諦めてしまう人もいるかもしれません。
でも今回紹介した内容を頭に入れてもらえれば、資産形成の必要性や何に取り組めばいいのかが分かってくると思います。
お金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、そのお金を元手にして自分のお金に働いてもらいましょう。

カブラバ先生
資産形成は、自分の将来のためにも早い段階で取り組んでいくと良いですよ。
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