だったらETFと投資信託、どっちに投資していけばいいのかなぁ?
まずはETFと投資信託の違いをよく理解してから、どう投資を行っていくか考えてみましょう。
ETFとは、どんなもの?
ETFと投資信託の違いは?
「ETFと投資信託とでは何が違うの?」って疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
この2つの違いとして、特に挙げるとすれば以下の6つです。
・ 価格の変動のタイニング
・ 指値注文ができるかどうか
・ 種類の多さ
・ 信託報酬の差
・ 売買する時の手数料
上場しているかどうか
ETFも投資信託もどちらも投資信託ですが、1番の違いは「上場しているか・上場していないか」の違いです。
要は「証券取引所を通じて取引するのか、しないのか」という事ですね。
ETFは証券取引所に上場しているんですが、投資信託は上場していません。
そのため、ETFは市場の立会時間に取引を行う事ができます。
東証の場合だと、休日と年末年と除く月曜日から金曜日の「9:00~11:00」と「12:30~15:00」ですね。
投資信託なら、市場の立会時間とは関係なく、証券会社や銀行などの金融機関が定めている時間で取引が可能ですよ。
価格の変動のタイミング
ETFは株式と同じように、市場が開いている時間ならリアルタイムで価格が変動する金融商品です。
そのため同じ日に購入するとしても、タイミングが少しでも違えば価格も違ってくる事があります。
これが投資信託だと価格の更新は1日1回のみ。
注文した時点では正確な取引成立価格が分かりません。
一般的に9時から15時までが注文の受付時間で、15時以降になると翌日の注文として扱われてしまいます。
しかも外国の株式や債券を組み込む投資信託は、注文した日の翌日以降に取引が成立します。
つまり、取引成立まで価格が分からない投資信託と、取引所が開いている時間でタイムリーに売買できるETFとでは、価格の決まり方に大きな違いがあるというワケですね。
指値注文ができるかどうか
取引所に上場している株式は、価格を指定して購入する「指値(さしね)注文」を利用する事ができます。
これと同様にETFも指値注文ができるので、自分で取引価格の指定が可能なんですね。
また、買い値・売り値を指定しない「成行(なりゆき)注文」も利用できます。
一方、投資信託は指値注文ができないので、価格を指定した取引は行えません。
なぜなら、注文した時点では取引成立価格が分からないからなんですね。
種類の多さ
この種類の多さは、RTFが約250銘柄で投資信託が約6,000銘柄。
圧倒的に投資信託が勝ります。
ですが投資信託は金融機関によって取り扱う銘柄が違うので、場所によっては品揃えが少ない所もあります。
投資信託の口座開設する前に、各金融機関の取扱商品数もチェックしておくと良いですね。
ちなみにETFの場合だと、どの証券会社でもほぼ全ての銘柄を売買する事ができるのですが、銀行では取扱いしていません。
信託報酬の差
② 投資信託の組織・運用を行う会社(運用会社)
③ 投資家から預かった資金を保管・管理する受託会社(信託銀行)
売買する時の手数料
ETF・投資信託で売買する時の手数料ですが、購入時と売却時では少し違ってきます。
そこで、購入時・売却時に分けて手数料の違いを見てみましょう。
購入時の手数料
購入時の手数料は、取引を行う"金融機関"や"投資信託"と"ETF"・"商品"によって違います。
投資信託なら「販売手数料」や「申込手数料」とも呼ばれ、これは購入する際に販売会社に支払う手数料で、購入代金とは別に徴収されるものです。
ただ最近ではインデックスファンドを中心に、販売多数料が無料の投資信託(ノーロード・ファンド)も増えてきていますね。
ETFの方は、商品ごとに手数料が設定されてはおらず、株式と同じように「売買手数料」の取り扱いになるので、ETFを購入する証券会社の手数料が適応されます。
またETFに関しても、ネット会社を中心に一部のETFを売買手数料不要で購入できる証券会社も出てきているので、そういった証券会社なのか、購入したいETFが対象銘柄なのかをチェックしておくと良いですね。
売却時の手数料
投資信託は売却時に「信託財産留保額」と呼ばれる手数料がかかるのですが、なかには信託財産留保額が不要の銘柄もあります。
ETFの場合は、株式を売却をした時に発生する手数料と同じように「売買手数料」がかかります。
これらの手数料も証券会社によって違ってくるので、事前の確認が必要となりますよ。
これら6つの違いをまとめると、以下のようになります。
ETF | 投資信託 | |
上場・非上場 | 上場
(※取引所の取引時間で取引可能) |
非上場
(※原則いつでも取引可能) |
価格変動のタイミング | 常時変動 | 1日1回のみ |
指値注文 | 可能 | 不可能 |
種類の多さ | 約250銘柄 | 約6,000銘柄 |
信託報酬の差 | 低い | 高い |
売買時の手数料 | 購入時:証券会社ごとの手数料が適応
売却時:売買手数料がかかる |
購入時:購入代金とは別に徴収
売却時:信託財産留保額がかかる |
ETFと投資信託では、どちらがオススメなのか?
ETFと投資信託にはそれぞれ特徴があるので、どちらが優れているのかは一概には言う事ができません。
ただ、「どのような投資がしたいか?」という、その人の投資スタイルによってオススメ度が変わってきます。
そこで、どのような場合にどういった方法が良いのかを見てみましょう。
短期で運用をしていきたい場合
一般的に短期で運用をしていきたい場合は、ETFが良いとされています。
ETFは証券取引所に上場しており、機動的に売買を行いたい人に向いているからですね。
お目当ての銘柄を買ったその日に売却していくようなデイトレードや、数日間で売買を行っていくスイングトレードも可能です。
ただし、いざいう時に素早く取引を行うためには"平日の取引時間中に市場の動きを常に見ていられる人"という条件がクリアできる人にはなりますね。
長期的に運用をしていきたい場合
こちらも一般的にですが、長期的に運用したい場合は、投資信託が良いとされています。
ETFだと限られた証券会社でしか積み立て投資を行えませんし、TOPIXや日経平均株価などの指数に連動した運用の成果しか期待できないからですね。
その点、投資信託だと投資先の選択肢は多く、時間をかけて分散投資でき、その分利益も狙えるので、長期投資を活用するのが良いかもしれません。
※TOPIXと日経平均株価については、この記事でも詳しく紹介していますよ。
ETFは長期投資に向く投資商品?
これまで投資信託は「長期投資」に向く商品で、ETFは「短期投資」に向く商品だと考えられていました。
でも実は、ETFも「長期投資に向いた投資商品」なんです。
ただ、これまで日本で注目されていたETFが、短期的な売買に合ったレバレッジ・インバースやテーマ型だっただけなんです。
現在、日本の個人投資家の間で最も人気のある海外ETFの『YT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)』は、世界中の株式の約8,000銘柄に幅広く分散投資を行う商品で、まさに長期投資にうってつけの商品です。
このように分散投資を実現する海外ETFなら、長期投資にも向いている投資商品と言えますね。
大切なのは、"投資信託・海外EFTと関係なく長期で分散投資をする"という考え方です。
それぞれの「投資ニーズ」が大事
投資商品を選ぶのに最も優先しなければいけないのが、投資家それぞれの「投資ニーズ」を満たせるかどうかです。
要は、「最終的に投資でいくら資産を増やしたいのか?」「どんな将来を望んでいるのか?」「何歳から何歳まで行うのか?」という目標がハッキリとしていれば、それにピッタリの投資方法が分かってくる、というワケですね。
また、どのような口座から投資をするかも重要なんです。
通常の証券口座やNISA口座からの場合は、投資信託でもETFでも投資が可能ですが、つみたてNISA口座、企業型確定拠出年金口座やiDeCo口座などを活用する場合は投資信託でないといけません。
まぁ漠然と「どんな商品が良いのか?」といった話ではなく、投資家それぞれの目標に合った商品を選んで投資を行っていく事が重要なんですね。
まとめ
さて、今回は『投資するならどっちがオススメ!?ETF&投資信託の違いを詳しく解説』と題して、この2つの違いと選び方について紹介しました。
この記事をまとめると以下の通り。
・ ETFと投資信託は6つの違いがある
・ 一般的に短期投資には「ETF]、長期投資には「投資信託」が向いている
・ 投資家それぞれの目標に合った投資方法を選ぶことが重要
自分の投資目標によって、ETFと投資信託を使い分けましょう。