信用取引の特徴は?信用買い&カラ売りの内容やリスクを回避する方法

カブエ
信用取引に少し興味を持っちゃった♪
ちょっと挑戦してみたいなぁ…。

かぶらば先生
興味を持ってくれるのは良い事ですね。
でも、始める前に「信用取引の特徴」などを、もう1度確認してみてはどうでしょうか?
信用取引とは、証券会社や証券金融から資金や株券を借りて取引を行う事ですね。
資金が少ない投資家でも、レバレッジ効果で大きな利益を出す事が可能になる、夢のある取引方法です。
ただね。
よく理解せずに信用取引に手を出すと、とんでもない事になる可能性がありますよ。
そんな事にならないためにも、信用取引を始める前にしっかり確認しておきましょう。
そこで今回は『信用取引の特徴は?信用買い&カラ売りの内容やリスクを回避する方法』と題して、信用取引の特徴やリスクを回避するために注意するべき事を紹介していきましょう。

信用取引の特徴

株の取引には「現物取引」と「信用取引」があります。

現物取引とは、現金で行う従来の取引の事。

信用取引とは、株券や資金を証券会社や証券金融から借りて行う取引の事を意味します。

この信用取引の特徴としては、以下の2つがありますね。

信用取引の特徴
レバレッジ効果:資金の約3倍の取引が可能
カラ売り:株価が下がる時でも利益を出す事ができる

レバレッジ効果で、資金の約3倍の取引が可能

信用取引をするには、まず資金を担保として預けるようになります。

この預けた資金を、「委託証拠金」または「委託保証金」と言い、これを担保にする事で、その金額の約3倍の額までトレードする事が可能になるんですね。

たとえば、100万円を委託証拠金預ければ、その3倍である300万円分の株が買えるようになる。

これは資金の少ない投資家にとっては、好都合の取引です。

また、資金の代わりに手持ちの株券を担保にする事もできる。

これを「代用証券」と言うのですが、時価がそのまま補償金の額になるワケでもありません。

株価は上下に動く。

まぁ上がる分にはいいのですが、下がった場合、担保としての価値が目減りしてしまう。

そのため、時価で100万円分の株券は、100万円として評価されないのです。

しかも証券会社や株券が上場されている市場によって、掛け目は違います。

東証一部の銘柄なら、通常は時価の8割。

つまり、時価100万円分の株券を担保にした場合、80万円と評価されてしまうワケです。

でも代用証券の制度を利用すれば、現金がなくても、手持ちの株券があればトレードできるんですね。

たとえば、財産として受け継いだ株券とか、自分が勤めている会社の株券など、何らかの事情で売る事ができない株券でも、売らずに、それを利用してトレードできるんです。

カラ売りなら、株価が下落しても利益が得られる

信用取引のトレードは、大きく分けて以下の2つに分ける事ができます。

信用取引のトレード
信用買い
カラ売り(信用売り)

信用買い

 

 

 

かぶらば先生
信用買いとは、資金を担保にして株を買う事です。
現物取引との違いは、"資金を担保にして、資金以上のトレードをする"という事だけ。
「先に買って、あとから売る」というトレードなので、買った株が値上がりすれば利益が出ます。

カラ売り(信用売り)

かぶらば先生
カラ売りとは、資金を担保にして株券を売り、それを売る事です。
これは"先に売って、後から買う(買い戻す)"というトレードです。
売値よりも買値の方が低ければ利益が出るので、値下がりした方がいいワケですね。
…と、このように言ってもピンとこないでしょうから、何かにたとえて説明しましょう。
誌信用売りの問題例
通常価格5,000円のゲームソフトがあったとする。
品薄状態でプレミアがつき、ネットオークションでの相場が8,000円になっている。
いずれ、商品が市場に供給されれば、プレミアはなくなり、5,000円になってしまう。
現在の相場よりも値下がりするのは確実で、それも時間の問題。
あなたは、相場が下がるのを利用して何とか儲けたい。
さあ、どうする?
これをカラ売りの立場で考えると、答えは簡単。
誰かから一時的にゲームソフトを借りてきて、それを売ればいいんです。
もし、そのゲームソフトを手に入れ、すでにやり終えた知人がいれば、借りてくる。
それをネットオークションに出品して、8,000円で売る。
ただ、知人から借りたのだから、いつかは返さなけれないけない。
プレミアがなくなり、通常価格の5,000円に戻ったところでゲームソフトを買い、それを知人に返せばいいのです。
そうすれば、差額の3,000円があなたの利益になるワケだ。
こういった事を株式市場で行うのを「カラ売り」または「信用売り」と言います。
自分が持ってもいないのに売るから、カラ売りなんですね。
株価200円の銘柄をカラ売りした場合、199円以下になれば利益が出る。
仮に、150円まで下がったとしたら、50円分の利益。
1000株カラ売りしていれば、5万円の利益が出るというワケです。(※説明のため、手数料は含めていない)
株式市場は、上昇トレンドの時ばかりではなく、下降トレンドの時もある。
値上がりを期待しても、難しい時がある。
「先に買って、後から売る」なんていう通常のトレードでは、明らかに不利です。
そんな時でも、カラ売りなら利益を出せるという事なんですね。

これだけは覚えてほしい、「信用取引のリスクを回避する方法」

ここまでの説明すると、信用取引はメリットばかりのように思えてきますよね。
手持ちの資金以上のトレードができるし、資金がなくても株券があればトレードができる。
しかも、株価が下がる時にでも利益を出すことが可能。
ケチのつけようがありません。
でもメリットばかりではなく、デメリットもあります。
それは、リスクが大きくなるという事。
この事をよく理解していないと、せっかく信用取引を利用しても、儲かるどころか、大きな損失を出してしまう事にもなりかねません。
では、「信用買い」と「カラ売り」の、それぞれのリスクについて見ていきましょう。
これは、信用取引のリスクを回避する方法にもなりますよ。

「信用買い」のここだけは注意!

トレードをする金額が大きくなれば、当然、リスクも大きくなります。
たとえば、60万円の資金で株価300円の銘柄を2000株買ったとしましょう。
金額は60万円になる。(※これも手数料は考えない)
でも、もし株価が200円まで値下がりしたら、どうなるのか?
200円×2000株=40万円となるので、60万円あった資金が40万円になってしまったという事になる。
では、信用取引で、資金の3倍まで買ったとする。
60万円の3倍だから、180万円分買う事ができますよね。
株価300円の銘柄なら、6000株です。
先ほどと同じように、株価が200円まで下がってしまったら、どうなるでしょう?
200円×6000株=120万円となるので、180万円の株が、120万円にまで下がってしまったという事になる。
差し引き60万円。
元々「手持ちの資金は60万円」だったので、資金がすべてなくなってしまったというワケですね。(※実際には、ここまで値下がりする前に追証が発生します。)
現物取引で株を買った場合、その銘柄の企業が倒産でもしない限り、資金がなくなる事はありません。
たとえ倒産したとしても、1株1円にはなる。
でも信用買いでは、資金が全てなくなってしまう事があるのです。
これが信用買いの恐ろしいところなんですね。
ただ、300円の銘柄が200円になる事は珍しい事ではない。
むしろ、急騰した銘柄などでは、よくある事なんです。
という事は、信用買いで資金の全てがなくなるというのも、よほどの事がない限り、滅多に起こる事ではないんですよね。

「カラ売り」のここだけは注意!

カラ売りについて「私、ヤリたくない!…だって、怖いの…」といった考えを持つ人は少なくありません。

なぜなら、リスクが青天井だからです。

青天井とは、上限がない事。

買いの場合、買った銘柄の企業が倒産し、株価が暴落しても、1円までしか下がりません。

最悪でも1円で売れるという事ですね。

仮に400円の銘柄を1000株買い、それが1円にまで下がっても39万9千円の損失で、それ以上は損失が拡大する事はない。

でもカラ売りの場合は、損失に上限がありません。

そもそもカラ売りは、値下がりすると利益が出て、値上がりすると損失が出るものでしたよね。

400円の銘柄を1000株カラ売りした場合、株価が401円になると、1,000円の損失が出ます。

500円になったら10万円、1000円になったら60万円の損失が出る事になる。

もし株価が1万円になったら、960万円の損失です。

たった40万円分をカラ売りしただけなのに、960万円もの損失が出るんです。

ただ、400円の銘柄が1万円になる確率は、とても低い。

それは、"遅刻しそうな女子高生が急いで走っていると、曲がり角で美少年にぶつかり、お互いに恋が芽生える"という確率と同じくらい低い。

でも、絶対にないとは言えないのです。

もう何年も前に、ある銘柄を400株だけカラ売りした時の話ですが、「すぐに下がるだろう」と思っていたのになかなか下がらず、後日急騰したのです。

上り坂を駆け上がるように急ピッチで上がっていく株価を見て、全身の穴という穴から、いやーな汗が噴き出したのを今でも覚えています。

その後、すぐに急落したので、ヤケドくらいで済みましたが、カラ売りの恐ろしさを痛感した瞬間でしたね。

上手く活用できれば便利なカラ売りですが、ふとした事で大きな損失を追ってしまう可能性があるので、注意が必要ですよ。

まとめ

さて、今回は『信用取引の特徴は?信用買い&カラ売りの内容やリスクを回避する方法』と題して、信用取引の特徴やリスクを回避するために注意するべき事を紹介しました。

この記事をまとめると以下の通り。

信用取引の特徴として「レバレッジ効果」と「カラ売り」がある
信用取引のトレードには「信用買い」と「カラ売り」がある
信用買いは、資金さえあればその3倍のお金で取引する事ができるが、その分リスクが大きくなる
空売り株価が下がるほど利益が出せるが、リスクに上限がないので、大きな損失を負う可能性がある
信用取引は資金の少ない投資家でも利益を望めるので、一見、魅力的に思えるのですが、よく理解していないと大きな損失を負ってしまいます。
大きく儲かる反面、リスクも高いので、注意しておかないといけません。
特徴やリスクを回避する方法などをもう1度頭に入れた上で、信用取引を始めていきましょう。

かぶらば先生
後で後悔しないためにも、信用取引を始める前に、もう1度確認しておいてくださいね。
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