アナタの老後資金はいくら必要?資金の計算方法や資金形成の方法

カブエ
お母さんがね、「今の若いうちから老後資金のために、お金を貯めておいた方がいい」って言うんだよ。
まだ先の事だけど、いくらくらい必要なんだろうね?

かぶらば先生
今のうちから老後資金について考えておくことは良い事ですね。
でも、その人その人によって必要になる額は変わってくるんですよ。

「日本人の平均寿命が80歳以上」というのが当たり前になった、この時代。

老後の生活資金に不安を持っている人は少なくありません。

自分の年金だけで、老後を送っていけるのか?

リタイア後にいくらあれば安心できるのか?

現在の日本経済の事を考えると、心配になってきますよね。

そこで今回は『アナタの老後資金はいくら必要?資金の計算方法や資金形成の方法』と題して、老後資金がいくら必要になるのか?、老後資金の形成に役立つ情報などを紹介していきましょう。

安心できる老後を迎えるためにも、今のうちに必要な知識を頭に入れておくと良いですよ。

老後資金はいくらあれば安心なのか?

かぶらば先生
老後資金とは、退職して給与による収入がなくなった後に、年金だけで足りない生活費を補うためのお金の事です。
2019年に金融庁の報告書にある「老後資金は2,000万円必要」という記述が問題になりました。
当時、話題になった【2,000万円問題】ですね。
この「老後資金は2,000万円必要」という言葉に、得体の知れない将来への不安を感じた人も少なくないハズ。
でも「2,000万円」という数字は、どのようにして算出されたものなんでしょうか。
老後資金はいくらあれば安心なのか。
本当に必要な金額はいくらになるのか、を見ていきましょう。

「2,000万円必要」と言われる理由

まず「2,000万円必要」と言われる理由なんですが…

そもそも老後資金の必要金額として発表された"2,000万円"は、2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書の中に記載された数字なんですね。

報告書では、一般的な高齢夫婦の無職世帯において、毎月5万5,000円ほどの赤字が出る事を想定しています。

この状態が20年続く場合にはおよそ1,300万円、30年続く場合には2,000万円ほど必要になると書かれているんですね。

『定年退職の年齢が60歳で、平均寿命から給与収入がなくなってから20~30年生活している』

これを仮定した上で、「老後資金は2,000万円必要」と考えられたワケなんです。

老後の生活水準によって必要金額は変わる

老後に必要と予想された2,000万円ですが、当然ながら、その人の老後の生活水準や保有している資産、また健康状態によって変わってきます。

月々の生活費や娯楽に使う金額によっては、年金では補えなくなってくるでしょうし、持ち家か借家かによってもかかる費用は違いますよね。

もし病気にかかっているなら通院費や薬代、場合によっては手術代もかかりますし、施設入所するなら入居費用なども支払わないといけません。

また、不動産収入などの不労所得や雑所得があるかどうかによっても、必要金額は変わります。

このように"2,000万円"という金額はあくまでも目安にすぎず、その人達の状況によって考えていく必要があるんですね。

老後の資金不足が心配される理由

平成初期や昭和ではこんな話題はなかったのですが、現在では様々なメディアで目にする機会が多くなっている「老後の資金不足」。

老後の資金不足が心配されるようになった理由として、以下の事が挙げられます。

老後の資金不足が心配される理由
少子高齢化
年配者の長寿化
働き方の変化
退職金の減少

少子高齢化と長寿化

日本では少子高齢化が進んでおり、現在、国内の人口のおよそ3割が65歳以上という時代です。

それに加えて若い世代が年々減少している事もあってか「いずれ年金制度が破綻するのではないか」という話も長年にわたって議論されていますよね。

少子高齢化が進むと労働人口は減りますし、年金受給金額の減少や給付年齢の引き上げなどの問題も起こってきます。

さらに医療費も高くなってくる事も。

こういった財源には国民の税金で賄われているものも多く、若い世代が少なくなってくると、当然、税金を納める人も少なくなるので、結果、そういったモノを上げざるを得なくなるというワケなんですね。

※「いずれ年金が破綻するのではないか」という事については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

 

年配者の長寿化

年配者が元気で長生きするのは喜ばしい事なんですが、この「長寿化」も、老後の備えが必要な要因となっています。

平成初期の平均寿命は男性で約75歳、女性で約82歳だったのですが、2019年には男性で約81歳、女性で約87歳と上がっているんですね。

寿命が延びるという事は退職してからの人生も長くなり、生活費や医療費・介護費用などが発生する期間も延びるという事。

リタイア後の長い余生を安心して過ごしていくためにも、現役のうちに資産形成を始めておく必要があるんですね。

働き方の変化

ひと昔前では正社員として働くのが当たり前でしたが、近年では労働者の生活スタイルや価値観から、1日8時間、週5日働くという働き方が変化してきました。

たとえば、フルタイム雇用でない働き方や、非正規雇用、フリーランスといったものですね。

まぁ、フルタイム雇用でなくても一定の労働時間があれば厚生年金に加入する事ができるのですが、65歳からもらえる老齢厚生年金は報酬に比例する仕組みとなっています。

また、非正規雇用やフリーランスと言った働き方が認識されるようになり、正社員と同じような恩恵を受けられない人が増えたのも老後が心配される要因ですね。

なぜなら、一部の非正規雇用やフリーランスには、賞与や退職金の支給がないからです。

こういった働き方の変化から、老後に手元に残るお金が少ない人は、以前よりも増える事が予想できますね。

退職金の減少

老後の備えが言われる理由の1つに、退職金の減少があります。

厚生労働省の公表している「労働条件総合調査」によると、退職金の平均金額は2003年に大学卒が約2,499万円だったのに対して、2018年の調査では1,788万円まで減少しているんですよね。

最近では、もともと退職金制度を用意していない会社も出てきています。

また、退職金を受け取れる規定年数まで勤めずに転職してしまう労働者も増えていて、転職を繰り返し、結局、退職金がもらえなかったというケースも少なくありません。

老後は退職金と年金で暮らすのが当たり前だった時代と比べて、退職金の減少により老後の生活に不安を感じている人が増えている状況にあるんですね。

老後にいくら必要になるのか確認し、計算してみる

その人の生活水準や健康状態によって、老後資金がいくら必要になるのか変わってきます。

ここでは、予想できる年金収入と支出を確認して、老後にいくら必要になるのか計算してみましょう。

まずは毎月の年金額を確認する

リタイア後のあなたの生活資金を支えるのが年金ですね。

このメインの収入である年金の給付額が分かれば、支出を差し引いて、不足する金額を出す事が可能。

ただ、もらえる年金の額は加入期間や加入している年金の種類によって変わってきます。

2019年度末の統計によれば、厚生年金の受給資格を持つ人が1カ月に受け取る年金額は約14万4,000円。

国民年金だと、月に約5万6,000円が平均値となっています。

また老齢厚生年金の場合、厚生年金に加入していた時の月額報酬や、加入期間によって金額が変わり、ベースとなる老齢基礎年金(国民年金)に加算される形ですね。

自分が退職後にいくらくらいの金額を受け取れるのか、毎月だといくらなのか、日本年金機構の「年金見込額試算」を使って年金額を確認をしてみましょう。

老後資金を計算する

計算をする前に、雑所得や不労所得・親から受け継ぐ土地や資産がある場合は、収入に含めます。

退職金も、もらえるのであればそれに加えて下さいね。

老後資金の計算式
見込み収入-予想される支出=老後資金

定年後の年数分を足し合わせた見込み収入から、予想される支出を引けば、あなたの老後資金が算出できます。

さらに老後資金の総額を月数で割れば、毎月いくらの貯金がひつようになるのか把握する事が可能に。

確実な数字ではなく大体の数字にはなりますが、それでも将来に向けた計画を立てるのに役立つハズですよ。

老後資金の資産形成をするなら

「やだっ…老後の資金なんて、私の貯金だけじゃ作れないよぉ💦」

このように感じるなら、積極的に資産を運用して老後資金を形成する方法もあります。

日本で資産運用をしたい時に、税制上のメリットを得有られる制度が「NISA」と「iDeCo」です。

ここでは、それらがどんなものなのかを紹介しておきましょう。

投資に非課税枠を使える「NISA」

かぶらば先生
NISA(ニーサ)とは、株や投資信託と言った金融商品を運用するにあたって、利益の一定額が非課税になるという投資優遇制度の事です。
従来であれば、売却益や配当金などに20%ほどの税金がかかってしまうのですが、NISAをうまく活用する事で差し引かれる金額を抑えて資産運用ができます。
この非課税枠の金額は「NISA」で年間120万円、積立投信のみを対象とした「つみたてNISA」で年間40万円。
ただし、繰越控除や損益通算といった通常は受けられる税制上のメリットを受けられないデメリットもあるので、使う前によく検討しておきましょう。
ちなみに一般のNISAは2023年までとなっていて、2024年からは新しいNISA制度が導入されますよ。

掛け金が所得控除の対象になる「iDeCo」

かぶらば先生
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金とも呼ばれる私的年金制度の事です。
これは毎月収める年金とは別に、自分で掛け金を積み立てて運用して資産を形成するものです。
積み立てした掛け金と運用で増えたお金は、60歳以降に受け取れる仕組みで、簡単に言えば、"第2の年金"といったイメージですね。
ただ積立金額は5,000円からで、運用する金融商品は自分で選ばないといけません。
通常、金融商品を買って利益を得る投資では、その利益に所得税や復興税がかかってしまうのですが、iDeCoを活用して積み立てをすると、掛け金が全体所得控除される上に、運用利益も非課税で再投資できるんですね。
老後に備えた資金作りで節税対策を取りたい人は、積極的に活用しましょう。

プロに任せる運用の「投資信託」

かぶらば先生
投資信託(ファンド)とは、「投資家から集めた資金を専門家が運用する」という金融商品の事です。
これは少額から投資ができ、個別銘柄をいくつも選ばなくても分散投資が可能なので、初心者に向いている金融商品です。
知識があまりない状態で株式に手を出すよりも、プロに運用を任せられる投資信託は安定性が高いと言えますね。
ただし、大半の金融商品と同じように元本保証はありません。
運用成績によっては、利益が得られずにマイナスになってしまう可能性があるという事は理解しておきましょう。
※投資信託については、コチラの記事でも紹介しています。
老後に安心して暮らせる資金を作るためにも、資産形成の方法については一定の知識は備えておきたいところです。
早い段階から運用を始めて、リタイア後に必要なお金の確保を目指していきましょう。

まとめ

さて、今回は『アナタの老後資金はいくら必要?資金の計算方法や資金形成の方法』と題して、老後資金がいくら必要になるのか?、老後資金の形成に役立つ情報などを紹介しました。
この記事をまとめると以下の通り。
「老後資金は2,000万円必要」という記述は、金融審議会が公表した報告者の数字が発端
老後資金の必要金額は、その人の生活水準によって変わる
老後の資金不足が心配される理由として、少子高齢化や長寿化、働き方の変化や退職金の減少が挙げられる
見込み収入から予想される支出を引くと、老後資金が算出できる
NISAやiDeCo、投資信託などを活用して、早いうちから必要なお金を確保していく事が大切になる
「老後資金には約2,000万円必要」と騒がれた事がありましたが、結局その人の生活水準によって、必要となる資金額は変わってきます。
ただ、退職金と年金だけでは少し心もとないかもしれません。
老後を安心して暮らしていくためにも、早い段階からリタイア後に必要なお金を確保していきましょう。

かぶらば先生
後で後悔しないためにも、早いうちから老後資金を貯めていって下さいね。
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