でも、それらを省く事のできる方法もあるんですよ。
最近ニュースなどで耳にするようになった「ダイレクトリスティング」は知っていますか?
もう知っている人も多いかもしれませんが、音楽ストリーミングアプリを運営する「Spothify」や、ビジネスチャットツールを提供する「Slack」もダイレクトリスティングという方法を活用したんですよね。
ただ、海外では有名な方法なのですが、日本ではまだ知られていません。
あなたもダイレクトリスティングを知って、友人に自慢してみたくはありませんか?
今、知識として知っておけば、いざという時にすぐに対応できるかもしれませんよ?
そこで今回は『コストも時間も節約できる!?ダイレクトリスティングを詳しく解説』と題して、日本ではまだよく知られていないダイレクトリスティングについて、詳しく紹介していきましょう。
この記事を読み終える頃には、"ダイレクトリスティングがどういったものなのか?"がよく分かりますよ。
ダイレクトリスティングとは?
そもそも上場とは、誰でも株式を証券取引所で自由に売買できる状態にする事。
上場する事で、資金調達がしやすく、社会的な信用も得やすくなるので、優秀な人材が集まりやすくなるんですね。
まぁその反面、上場の維持コストが高く、買収される危険性もあるんです。
しかも株主の要望にも応える必要性もあるので、未公開企業と比べれば、経営のプレッシャーはかなり大きくなってしまいます。
直接上場のダイレクトリスティングも「誰でも株式を証券取引所で自由に売買できる状態にする」という点では同じなんですよね。
違ってくるのは、"上場する手順"。
ダイレクトリスティングの場合は、新株を発行しないで既存の株式だけを売り出す方法なので、一般の上場と手順が大きく違うというワケなんですね。
上場の手順は?
通常の上場だと、企業が投資銀行を雇って新株を引き受けてもらう「主幹事証券」を行ったり、「ロードショー」と呼ばれる投資家への株式お披露目会をして、どんな値段で売り出すのかを決めたりなど、少々複雑で面倒くさい手続きを踏まないといけません。
ダイレクトリスティングを利用した企業は、どんなものがある?
ダイレクトリスティングのメリット
・ 株式の希薄化が起こらない
・ ロックアップ期間が設定されない
時間やコストかからない
通常、上場する時には、新株を引き受けてくれる証券会社を決めるため、多額の手数料がかかってしまいます。
でもダイレクトリスティングなら新株を発行しないので、手数料がかかりません。
しかも、上場するまでにかかる時間も大幅に短縮できてしまいます。
そのため、時間とコストがかからないんですね。
これまで苦労してきた人達からすれば、「やだっ…嬉しい♡」と思うでしょうね。
株式の希薄化が起こらない
ロックアップ期間が設定されない
通常、IPOではロックアップ期間が設定されると、その間、株主は売買ができなくなります。
どんなに「私…欲しいの♡今じゃないとダメなの!」と気持ちが高ぶっても、その間は取引ができません。
ですが、ダイレクトリスティングではロックアップ期間が設定されません。
ロックアップ期間がない事で、通常の上場よりも早く株式を売る事ができ、利益を得られるというワケなんですね。
ダイレクトリスティングのデメリット
このダイレクトリスティングにも以下の2つのデメリットが存在します。
・ 流動性が低くなる可能性がある
新しく資金調達ができない
企業が上場する目的の1つに「新しく資金調達をする」という事があります。
通常、上場の際には新株を発行して資金調達をしていくんですよね。
でもダイレクトリスティングの場合、新株を発行しないので、新しく資金調達をする事ができないのです。
流動性が低くなる可能性がある
逆に流動性が低いと、売買時期が限定されてしまい、「希望する数量がそろうのかどうか?」「ちゃんと捌けれるのかどうか?」といった問題が発生してしまいます。
ダイレクトリスティングの場合、新株を発行しないので、流動性が低くなる可能性があるんですよね。
たとえ上場したとしても、元々の株式数が少なかったりすると、売買自体が成立しない事だってありますよ。
ダイレクトリスティングが向いている企業の3つの特徴
誰もがダイレクトリスティングで上場できるというワケではなく、これに向いている企業と向いていない企業があります。
そもそも、株の販売をサポートしてくれるアンダーライターがいないので、企業自身が持つ魅力だけで勝負しないといけないんですね。
このダイレクトリスティングでの上場が向いている企業には、以下の3つの特徴があります。
・ 分かりやすいビジネスモデル
・ ある程度の資金を保有している
いずれはダイレクトリスティングでも資金調達ができるようになるかも!?
資金調達をするためには、新規に市場へ上場するのが一般的です。
でも米国では、こういった事情はもう時代遅れだとされていて、ニューヨーク証券取引所でもダイレクトリスティングで売却できる株式に関わる改正案が承認されたりと、ダイレクトリスティングでも資金調達できるようにする方向へと動いています。
まだ従来のシステムから恩恵を受けている投資家などから反発があり、実現できてはいません。
でも、これが実現するのは時間の問題で、いずれはダイレクトリスティングで資金調達ができるようになるでしょう。
ただし、日本の場合はダイレクトリスティングすら活用されていないですし、株式に対する元々の考え方も違うので、導入されたとしても当分先の話になりそうですね。
まとめ
・ 上場による資金調達はできないが、コストや時間、それにかかる労力を削減できる
・ ダイレクトリスティングが向いているは、認知度があり、ある程度の資産を保有している企業
・ これからダイレクトリスティングは増えていく可能性がある