円安・円高って何!?その仕組みや株価への影響を徹底解説

カブエ
円安や円高って名前は聞いた事があるんだけど、一体どんなものなのか全く分からないや。
教えて、カブラバ先生!

カブラバ先生
なるほど、円安・円高ですね。
それでは円安・円高の内容とその仕組みについて学んでいきましょう。
「本日の経済ニュースです。本日の株価は円高の影響で…」
こんなニュースキャスターのセリフを耳にした事があるかと思いますが…
みなさんは、この円安・円高がどういったものなのかご存じでしょうか?
もしかして「経済に関係するものなんでしょうけど、私には関係ないわ、ウフフ♡」なんて思ったりしてませんか?
実は、円安・円高は私たちの生活に大きく関わってくるものなんですよ!
いつまでも無関心のままでいたら、経済の流れに乗り遅れて、せっかくのビジネスチャンスも逃してしまうかもしれませんよ!
そこで今回は『円安・円高って何!?その仕組みや株価への影響を徹底解説』と題して、円安・円高の内容やそれが与える影響について解説していきましょう。

円安と円高とは、どんなもの?

よく耳にする円安と円高ですが、一体どんなものでしょうか?

簡単に言ってしまえば、「他通貨と比較して、相対的に円が安いのか、高いのか」という事ですね。

…と、少し分かりにくいかもしれないので、例を挙げてみましょう。(※ここでは基軸通貨(世界の為替通貨の中心となる通貨)である米ドルをもとに1ドル=100円を基準とします。)

たとえば、1ドル=100円から1ドル=90円に為替レートが変化した場合、これは円安だと思いますか?

それとも円高でしょうか?

実はこの場合は円高

パッと見て円安のように思えるのですが、円の数字だけを見てはいけません。

円安の場合

1ドル=110円
円の価値が相対的に低下

1ドル=100円の時は、100円で1ドルと交換できていました。

それが1ドル=110円になった時、1ドルを手に入れるために、これまでより10円も多く交換しなければなりません。

つまり、同じ1ドルをこれまでより10円多い金額で交換しなければいけないので、円の価値が相対的に下がったというワケですね。

これを「円安」と呼びます。

円高の場合

1ドル=90円
円の価値が相対的に上昇

こちらは「円安」とは逆で、1ドル=90円になった時、90円だけで1ドルと交換する事ができます。

つまり、同じ1ドルを10円ほど少なく交換できるって事は、円の価値が相対的に上がったというワケですね。

これを「円高」と呼びます。

 

なぜ円安・円高に変化するのか?

なぜ円安・円高に円の価値が変化するのか?

それは円の需要と供給のバランスによって決まります。

通貨を買いたい人が多ければ価値は上がり、売りたい人が多ければ価値は下がりやすくなるんですね。

この需要と供給を左右する要因は色々あるのですが、代表的なのは以下の3つになります。

代表的な要因
金利
➡金利の高い通貨の方がリターンが大きいので、買われやすい。(需要増)
景気と経済状態
➡「景気や経済状態の良い国の通貨の方が安全である」とみられ、買われやすい。(需要増)
国の金融や政治政策
➡日銀総裁などの通貨当局者の発言や政権交代などは今後の国の動向に影響を与えるため、通貨の需要が変化する。
たとえば、コロナウィルスのワクチン接種が進んでいる国の通貨が買われるというように、需要と供給はい色々な要因によって変化しているのです。

円安や円高が与える生活への影響

「ニュースでは円安や円高と騒いでいるけれど、あまり影響は感じない…」と感じている人もいるのではないでしょうか?

まぁ普通に生活をしていて、あまり円安・円高の影響は感じませんが、消費者としては「円高」の方がお得な場合が多いです。

なぜなら円高だと、外国から輸入された食品や製品を通常よりも安く輸入する事ができるので、消費者はその分安く購入できるからなんですね。

また、海外旅行に行く時も円高の方がお得になります。

たとえば1ドル=100円の時に、海外で200ドルの買い物をすると、日本円では20,000円支払った事になるのですが…

これが円高で1ドル=90円になったとしたら、200ドルの買い物をしても、日本円では18,000円支払った事になり、2,000円も得をしてしまうワケなんです。

何だか、円高の方が消費者にとってうれしいですね♪

円安と円高が与える企業や株価への影響

円安と円高は、消費者だけではなく企業にも影響を与えます。

その中でも特に円安・円高の影響を受ける企業は「輸出入」を事業の中心としている企業ですね。

それでは円高を例にして、詳しく説明していきましょう。

円高が企業に与える影響は?

円高の恩恵を大きく受けるのは「輸入品を仕入れて販売する事ができる企業」です。

特に、“原油が安く輸入できるようになる“というメリットは大きいですね。

また原油以外にも、大豆やトウモロコシなどの輸入食料や紙・パルプなどの原材料や鉄鉱石などにも影響があるので、こうした企業の株価も上がりやすくなります。

ですが、逆に輸出をメインにしている企業の場合は大きな打撃を受けてしまいます。

企業の取引額は大きいので、少し円高になるだけでも影響が出るのです。

実際、日本で最も時価総額の高いトヨタ自動車でさえ、当時1円の円高が1年続くと、営業利益が約400憶円の減少になると算出されていて、円高ドル安が進んだ2019年には通期業績予想を下方修正しているんですよね。

たった1円動くだけで400億ですよ。

…と、このように少しでも為替が動くと、企業は数千万、数億円の損失が発生する事があり、株価も下落する恐れがあります。

そのため、円高・円安の影響を受けやすい企業へ投資する場合は注意が必要ですよ。

円安・円高に対する企業の対応は?

「これだけ影響があるなら、企業はどんな対策をとっているのか?」って思ってしまいますよね。

当然、襲い来る円安・円高(為替)の脅威に対して、何も対策をしていないハズがありません。

常に変化する為替対策のために、企業は金融機関と為替の予約をしている事が多いです。

そもそも将来円高になるか、円安になるかを予想できないので、企業は利益やコストを正確に計算する事ができません。

でも為替の予約をしていれば、将来交換する為替レートをあらかじめ決めているので、為替が変動したとしても、為替における取引は影響を受けないのです。

こういった為替変動の影響を抑える仕組みの事を為替ヘッジと言います。

為替ヘッジで為替変動のリスクを抑える事は、非常事態に備えるための大きなメリットになるんですよね。

その代わり、為替ヘッジはコストがかかり、さらに円安が進んだ場合には円安の恩恵を受ける事が出来ないというデメリットがある事は覚えておきましょう。

まとめ

さて、今回は『円安・円高って何!?その仕組みや株価への影響を徹底解説』と題して、円安・円高の内容やそれが与える影響について解説しました。

円安・円高とは「他通貨と比較して、相対的に円が安いのか、高いのか」であり、これが少しでも変動してしまえば、私達の生活にも影響が出てきます。

特に大きな企業だと、たった1円変わってくるだけでも利益は大きく変わってくるんですよね。

そのため、円安・円高についてよく理解しておけば、経済の動向も把握できますし、いつどんな時にどういった企業に投資すれば良いのかが分かってきます。

カブラバ先生
ビジネスチャンスを逃さないためにも、円安・円高を理解しておく事は大切ですよ。
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