何のために必要なんだろう?
格付けとは何か?
AAA | 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 |
AA | 信用力は極めて高く、優れた要素がある。 |
A | 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 |
BBB | 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 |
BB | 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 |
B | 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 |
CCC | 信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行になる懸念が強い。 |
CC | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 |
C | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付け。 |
なぜ格付けが必要なのか?
なぜ格付けが必要なのか?
格付けの意義を、債券発行企業や国といった格付け対象者と投資家の視点で考えてみましょう。
格付け対象者(債券発行企業・国)の視点
債券を発行する際、支払利子といった発行コストを決定する指標の1つが「格付け」です。
格付けの順位が高ければ低い利子で債券を発行できるので、コストの負担を減らす事ができます。
つまり、格付けは債券による資金調達のしやすさやコストに影響を与えるワケですね。
投資家の視点
格付けを参考にして、購入している&購入を考えている債券の安全性や利回りが妥当かどうかを判断する事が可能です。
投資家にとって、格付けは投資の判断材料になるという事ですね。
格付会社とは、どんなもの?
日本の格付会社
・ R&I(格付投資情報センター)
・ JCR(日本格付研究所)
R&I(格付投資情報センター)
JCR(日本格付研究所)
R&Iと並んで日本を代表する格付会社が、JCR(日本格付研究所)です。
流通関連業界や金融機関でのカバー率は高く、70%を超える高水準。
また、格付けを公表している日本国内の発行企業約1000社のうち、6割以上がJCRから格付けを取得しているほどです。
世界の格付会社
次に世界の格付会社ですが、有名なのが以下の3社です。
・ S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)
・ Moody's(ムーディーズ)
・ Fitch Ratings(フィッチ・レーティングス)
S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)
Moody's(ムーディーズ)
次に有名なのが、 Moody's(ムーディーズ)です。
アメリカの民間企業で、米大手債券の格付基幹業務を担っており、主に企業や債券の信用力の調査・信用格付を行っています。
Fitch Ratings(フィッチ・レーティングス)
Fitch Ratings(フィッチ・レーティングス)は、イギリス・ロンドン、アメリカ合衆国・ニューヨークに本拠を置く格付機関。
信用状態に関する独自の格付情報を提供しています。
世界の格付けの約15%を占めていますね。
世界各国の格付の状態は?
「安全な資産」と言われている国債ですが、これも国によって違いが有ります。
世界各国の格付の状態を見てみましょう。
国名 | R&I(格付け/
見通し) |
S&P(格付け/見通し) |
オーストラリア | AAA/安定的 | AAA/安定的 |
オランダ | AAA/安定的 | AAA/安定的 |
シンガポール | AAA/安定的 | AAA/安定的 |
(省略) | ||
アメリカ | AAA/安定的 | AA+/安定的 |
(省略) | ||
日本 | AA+/安定的 | A+/安定的 |
(省略) | ||
アルゼンチン | CCC+/安定的 |
※R&IとS&Pをもとに作成ー
この中でアルゼンチン国債はCCC+で投機的格付に分類されます。
ただ新型コロナウィルスの完成拡大を受けて、ドル建て国債(約100億ドル相当)の利払い・償還を2020年12月31日以降に延期した事が発端となり、外貨建ての格付けの一部に債務府以降がある事を意味する「SD(選択的デフォルト)」に格下げされました。
他にもスリランカはCCC+、ベネズエラはCCC-と格付けされています。
国債だからと言って、絶対に安全というワケではないんですね。
日本国債の格付けはどう変化した?
日本国債は、新型コロナウィルスの影響で2020年6月に見通しが下がった事があります。
新型コロナウィルス対応への赤字国債の増加による財政赤字の拡大などの原因により、S&Pは日本国債を「ポジティブ」から「安定的」に変更し、Fitch Ratingsも「安定的」から「ネガティブ」に変更しました。
日本でさえも、格付けの見通しを下がられる事があるんですよね。
とは言え、日本の国債はR&IからAA+、S&PからA+の格付けw得ているので、比較的安全だとは言えるでしょう。
※債券や国債については、以下の記事で詳しく説明していますよ。