「債券」はお金を生む魔法のチケット!?株式との違いとその種類

カブラバ先生
「債券」って一体どんなのものなんだろう?
"券"が付くから、何かのチケットみたいなものなのかなぁ……

カブラバ先生
チケットですか…
まぁ、ある意味「お金がもらえるチケット」ですかねぇ。

 

あまり聞きなれないものも1つとして「債券」というものがあります。

何だか株式に似ているイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかも株や投資信託とは違い"券"という文字が付いているので、何かしらのチケットのように感じるかもしれません。

でもね。

ちゃんと債券について詳しく知っておけば、扱い方次第で「お金を生む魔法のチケット」にもなる可能性もあるんですよ!

なので、今回は『「債券」はお金を生む魔法のチケット!?株式との違いとその種類』と題して、債券が一体どんなものなのかを紹介していきましょう。

債券とは何か?

発行体である企業や国にお金を貸す事」を債券投資というのですが、この貸借関係における借用書が債券にあたります。

つまり、国や企業に対して「アナタにお金を貸したんだからねっ♡」という証明書の事ですね。

この債券には満期があり、満期の償還日には額面金額が投資家に払い戻されます。

しかも、債権を持っている人は満期までの決められた利払い日に、利息の支払いを受ける事もできます。

…という事は、債権に投資をすると最終的には額面金額と利息の両方を受け取る事ができるというワケですね。

少し例を挙げてみましょう。

額面(償還される金額)が100万円で利息が1年間5%、満期が10年後だったとします。

・ 額面:100万円

・ 利息:5%(1年間)

・ 満期:10年後

 

この場合では、投資家は毎年5万円を受け取る事ができますし、満期の10年後には投資元本の100万円も返済してもらえます。

結果、合計で150万円も受け取れたので、50万円も利益が出たという事ですね。

ちなみに、債権は通常の借用書とは少し違った点があります。

それは、投資家達が債券市場で自由に売買できるっていう点です。

また国や企業としても、多額の融資を金融機関等から受けるより、少額の投資を多くの人から受ける方が声もかけやすく、集めやすいといったメリットがありますね。

債権と株式の違い

よく債権と株式を似たもののように考えている人もいるのですが、これらにはハッキリとした違いがあります。

そもそも株式投資とは、「将来、利益を得る目的で企業が発行している株式を購入して、事業収益からの配当金収入や株式市場での売買差益を狙っていく投資」でしたよね。

株式を発行する企業にとっては、自分の企業に出資してもらって成長を応援してもらう事が目的なので、株主に対してお金を返す必要性はありません。

これに対して債券を発行している国や企業は、投資家に対して借りたお金を満期日までに返さないといけません。

まぁ、お金を借りているのだから返済する義務が発生するのは当然なのですが、もし返せない場合には、債務不履行として法的責任を負う事になってしまいます。

株式投資と債券投資の比較
株式投資 債券投資
会社の還元義務 無し 有り
満期指定 無し 有り
還元策 配当 利息
価格変動 大きい 小さい
リスクとリターン ハイリスク・ハイリターン ローリスク・ローリターン

 

債権の場合、ほぼ確実に利益が回収できるので、投資家としては株式よりも安全性が高いのがメリットですね。

ただし、株式に比べると利益もかなり低くなってしまうのがデメリットですかね。

債権の種類は?

債券にはいくつか種類があり、「国債」「地方債」「社債」に分けられます。

国債 : 国が発行する債券

地方債 : 自治体が発行する債券

社債: 企業が発行する債券

また、債権の利息支払いの有無によって、「利付債」と「割引債」の分けられます。

利付債: 定期的に利息が支払われる債券

割引債 : 利息支払いが無い債券

パッと見て、割引債の方がお得感が無いようにも思えますが、利息支払いが無い分、額面よりも安い値段で買う事ができるといったメリットがあります。
割引債 例

・ 額面:100万円

・ 発行価格:93万円

・ 利息:無し

・ 満期:3年後

このような条件の割引債なら、7万円分の利益になるというワケですね。

最も信用力のある債権は?

債券には国債・地方債・社債とありますが、その中で最も信用力のあるのが国債です。
国債とは、国(主に政府)が発行する債券なので、他の発行債券と比べても高い信用力があります。
国って、企業よりも破綻する確率が低いですよね。
そのため、債権不履行になりにくいという事なんですよ。
ただ、国といっても「日本」と「外国」があり、それぞれの国債にも特徴があります。
そこで、「日本国債」と「外国債」について知っておきましょう。

日本国債

カブラバ先生
この日本国債とは、日本政府が国家予算を作成した時に不足分の財源確保をできるようにするのを目的として発行する債券です。
日本で発行される債権の約9割が、この国債にあたりますね。
ちなみに、近年の国債の利回りは約0.05%~0.09%となっていて、国際的に見てもかなり低い利回りとなっています。
そのかわり破綻するリスクは低いので、安全な投資先として活用されていますね。

外国債

カブラバ先生
外国債とは、発行する国や企業や市場、取引される通貨のいずれかが債券の中で外国のものを言います。
まぁ一般的には、ドルなど外国の通貨で支払われる外貨建て債券に対して外国債という言葉を使われる事が多いですね。
ただ外国債の場合、日本円に換金する時に通貨の交換レート(為替)の影響を強く受けてしまうので注意が必要です。
利回りの面で言うと、低い日本国債に対して、外国債は利回りの高いものがたくさんあります。
たとえば、トルコなら約16%、ブラジルだと約10%の利回りですね。
…と、これを見ると外国債の方が利回りが高くて魅力的にうつるので、「それじゃ、なるべく外国債に投資した方が良いかなぁ~」と感じるかもしれません。
ですが、それだけの理由で外国債ばかりに手を出していると、後で痛い目を見てしまう可能性が高いです。
そこで、「債券投資のリスクとリターン」について知っておきましょう。

債券投資のリスクとリターン

債券の利回りには次の2つの特徴があります。

格付け(信頼度)が高いほど、利回りは低くなる

満期までの期間が長いものほど、将来への不覚的要素といったリスクが多くなるので、利回りが高くなる

簡単に言ってしまえば、利回りが高いほど、リスクも高くなるという事になります。
仮に「利回りが高いから…」といった理由で信用度の低い企業や国の債券に投資をしたとしましょう。
その場合、企業などの経営悪化や破綻などによって利息の支払いが遅れたり、貸した投資元本が返却されないといった債務不履行(ディフォルト)が発生する可能性が高くなってしまいます。
あなただって、「いくら世界ナンバーワンの利回りを誇っていても、聞いた事もない見た事もない、経営もままならない会社」になんか投資しようとは思いませんよね。
そのためにも、投資対象を決める際には、その企業の安全性を信頼格付けなどによって確認していく事が重要になってきます。
この格付けをチェックするには、スタンダード&プアーズやムーディーズなどの格付け機関が発表している情報を見るのが良いですね。
それではスタンダード&プアーズの格付け表を見てみましょう。
スタンダード&プアーズの格付け表
AAA 債務を履行する能力はきわめて高い。スタンダード&プアーズの最上位の発行体格付け。
AA 債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。
A 債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。
BBB 債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。

「BB」、「B」、「CCC」、「CC」に格付けされた発行体は投機的要素が強いとみなされる。この中で「BB」は投機的要素が最も低く、
「CC」は投機的要素が最も高いことを示す。これらの発行体は、ある程度の質と債権者保護の要素を備えている場合もあるが、
その効果は、不確実性の大きさや事業環境悪化に対する脆弱さに打ち消されてしまう可能性がある。

BB  より低い格付けの発行体ほど脆弱ではないが、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性
を有しており、状況によっては債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。
B  現時点では債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた発行体よりも脆弱である。事業環境、財務状況、または
経済状況が悪化した場合には債務を履行する能力や意思が損なわれ易い。
CCC 債務者は現時点で脆弱であり、その債務の履行は、良好な事業環境、財務状況、および経済状況に依存している。
CC 債務者は現時点で非常に脆弱である。

スタンダード&プアーズ金融機関格付けの概要より引用ー

この格付け表ですが、AAAに近いほど投資するのが安全という事になりますね。
基本的に、債券投資をするなら「投資適格格付(BBB以上)」の債券だけに絞った方が良いです。
「投機的格付(BB以下)」の債券は「ジャンクポンド(ガラクタ債券)」と呼ばれる事もあり、利回りが高くてもリスクが高いので個人投資家にはオススメできません。
債券は格付けの高いものを選ぶとローリスク・ローリターンの投資になるので、株式や投資信託と一緒に購入して分散投資をしていくのに向いています。
と、このように上手く組み合わせていく事で、「お金を生む魔法のチケット」になっていくといくワケですね。

まとめ

さて、今回は『「債券」はお金を生む魔法のチケット!?株式との違いとその種類』と題して、債券が一体どんなものなのかを紹介しました。
債券とは、国や企業へ「お金を貸しましたよ」という証明書で、その見返りとして利息分を受け取る事ができるというものです。
株式とは違い、少額でも定期的に受け取れるのは大きなメリットですね。
ただし、どういった発行体へ債券投資をするかで償還される額などは大きく変わってきます。
しっかりと債券に関する知識を頭に入れて行っていけば、あなたの債券が「お金を生む魔法のチケット」に変わっていくかもしれませんよ♪

カブラバ先生
株式や投資信託とはまた違った魅力がありますね。
あなたも債券投資を始めてみませんか?
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