日本の株式市場って、4つもあるんだ!
「東証」だけじゃなかったんだね…💦
他にも「札幌」・「名古屋」・「福岡」にも証券取引所があるんですよ。
東京証券取引所とは?
・ 東証一部
・ 東証二部
・ マザーズ
・ ジャスダック
東証一部と東証二部との違いは?
東京証券取引所の本則市場である「東証一部・二部」には、主に大企業が上場しています。
この本則市場とは、証券取引所にある市場のうち、メインとなる市場の事ですね。(※日本の証券取引所には「本則市場」と「本則市場ではない市場」の2つが存在する)
どちらの市場にも、聞いた事がある有名企業が多いんだねっ
でも東証一部&二部を見てると「やだっ…これって、どこが違うの…?」って思いますよね。
実は東証一部と東証二部の大きな違いは「企業が市場に上場するための審査基準」にあります。
この「東証一部」に上場する際の審査基準は厳しいのですが、「東証二部」の審査基準は一部ほどは厳しくはありません。
東証一部・二部の上場審査基準は、どう厳しいのか?
そもそも東京証券取引所の「東証一部」「東証二部」に上場するためには、既定の審査基準をクリアする必要があるんですよね。
この審査基準の中でも東証一部・二部で違いがあるのが、以下の項目になります。
東証一部 | 東証二部 | |
株主数 | 2,200人以上 | 800人以上 |
流通株主数 | 20,000単位以上 | 4,000単位以上 |
流通株式数(比率) | 上場株券などの35%以上 | 上場株券などの30%以上 |
流通株式時価総額 | なし | 10億円以上 |
時価総額 | 250億円以上 | 20億円以上 |
ちなみに「流通株式数」とは、発行株式から流通性の乏しい株式を除いた株式数の事。
一般的に流通性が乏しいとされている株式は以下の通りです。
・ 上場企業が所有する株式
・ 上場企業の役員が所有する株式
・ 上場株式数の10%以上を所有する人や、組合の株式
東証一部・二部に上場している企業は?
有名な企業が多い東証一部・二部ですが、一体どのような企業があるのか気になりますよね。
現在、東証一部には約2,082社、東証二部には約512社の会社が上場しています。
「東証一部」の上場企業 | 「東証二部」の上場企業 |
・ LINE
・ LIXILグループ ・ NTTドコモ ・ WOWOW ・ ぐるなび ・ しまむら ・ ゆうちょ銀行 ・ イオン など |
・ はごろもフーズ
・ ニッセイ ・ ハリマ共和物産 ・ バイク王&カンパニー ・ ブルボン ・ エスビー食品 ・ 富士通コンポーネント など |
投資家からの人気もないと東証一部・二部には上場できないので、おのずと聞いたことのある有名企業が多く集まってくるんですね。
また、"東証二部から東証一部へ鞍替えする"といった企業も多くあり、それとは逆に"東証一部から二部へ降格"してしまう企業もあります。
これら上場企業の昇格・降格には様々な要因が関係しているワケですが、もし鞍替えをした企業に投資する時には、その理由や目的をしっかりと確認・分析してから取引するようにしましょう。
※企業価値の見極め方や分析方法については、コチラの記事が参考になりますよ。
ベンチャー企業向けの株式市場「マザーズ」とは?
マザーズの上場審査基準は?
東証マザーズ | 東証二部 | |
株主数 | 200人以上 | 800人以上 |
流通株式数 | 2,000単位以上 | 4,000単位以上 |
流通株式数(比率) | 上場株券などの25%以上 | 上場株券などの30%以上 |
流通株式時価総額 | 5億円以上 | 10億円以上 |
時価総額 | 10億円以上 | 20億円以上 |
純資産額 | なし | 10億円以上 |
事業継続年数 | 1年以上 | 3年以上 |
これを見ても分かるように、マザーズは東証二部のおよそ半分以下の審査基準値で上場が可能なので、たとえ東証一部・二部の上場が難しい企業でも"マザーズへ上場すれば投資家から資金調達ができるようになる"という事なんですね。
マザーズに上場している企業は?
このマザーズに上場している企業のほとんどは、まだ無名で将来成長する可能性の高い「ベンチャー企業」である事が多いです。
・ HEROZ
・ ミクシィ
・ ライフネット生命
・ サマンサタバサジャパンリミテッド など
大企業が集まるベンチャー企業向けの株式市場「ジャスダック」とは?
JAZDAQスタンダード | 一定の事業規模と実績を有する成長企業 |
JASDAQグロース | 将来の成長可能性に富んだ企業群 |
「スタンダード」「グロース」で上場審査基準や上場の特徴も変わってきます。
ジャスダック「スタンダード」と「グロース」の上場審査基準は?
このジャスダックへの上場も、マザーズと同じく審査基準をクリアしていく必要があるんですよね。
そこでジャスダックのスタンダードとグロース、それぞれの上場審査基準を見てみましょう。
JAZDAQスタンダード | JASDAQグロース | |
株主数 | 200人以上 | 200人以上 |
流通株式時価総額 | 5億円以上 | 5億円以上 |
純資産額 | 2億円以上 | 赤字でない |
企業の存続性・成長性 | 事業活動存続に支障をきたす状況でない | 成長可能性を有する |
企業統治・内部管理体制 | ・企業規模に応じて確立 ・有効に機能している |
・成長の段階に応じて確立 |
ちなみにジャスダックの「スタンダード」と「グロース」では、スタンダードの方が審査が厳しくなっています。
「グロース」だと、スタンダードの審査基準ほど利益が出ていなくても、企業の成長可能性があれば上場する事ができるんですね。
ジャスダックに上場している企業は?
ジャスダックはマザーズと違って歴史があり、指定替えをしないで昔から上場している古株の企業が多いです。
JASDAQスタンダード | JASDAQグロース |
・ミサワホーム中国
・湖池屋 ・日本マクドナルドホールディングス ・オリコン ・シダックス など |
・地域新聞社
・ジェイテック ・シンバイオ製薬 など |
ジャスダックは50年以上もの歴史を持っていて、合併や統合を繰り返し、現在「東京証券取引所」にある市場の1つとなっているワケなんですね。
そのため、ジャスダックには何十年も前から上場している老舗企業も多く存在しています。
このようにジャスダックの上場企業へ「昔ながらの大企業」が多いのは、新規上場企業の多いマザーズとの大きな違いだと言えますね
まだある!「名古屋・札幌・福岡」の証券取引所の株式市場と上場審査基準
日本の証券取引所取引所は「東京証券取引所」だけではなく、他にも3つの証券取引所が存在します。
・ 札幌証券取引所
・ 名古屋証券取引所
・ 福岡証券取引所
札幌証券取引所の株式市場と上場審査基準
札幌証券取引所は、主に札幌周辺で実績のある企業が上場しています。
・ アンビシャス
・ 日糧製パン
・ RIZAPグループ
名古屋証券取引所の株式市場と上場審査基準
名古屋証券取引所は「名証」とも呼ばれ、主に名古屋周辺に本社がある企業や実績のある企業が上場しています。
・ 名称二部
・ セントレックス
・ 日本PCサービス
・ 東洋電機
福岡証券取引所の株式市場と上場審査基準
福岡証券取引所では、主に福岡や九州に本社を置いている企業が上場しています。
・ Q-Booard
・ 第一交通産業
・ 福岡中央銀行
まとめ
さて、今回は『東京証券取引所と地方証券取引所は?日本の株式市場の種類も解説』と題して、国内の証券取引所や株式市場への上場審査基準・上場している企業の特徴について紹介しました。
この記事をまとめると以下の通り。
・ 日本の証券取引所は「東京証券取引所」「札幌証券取引所」「名古屋証券取引所」「福岡証券取引所」の4つ
・ 東京証券取引所のなかで一般的に株式投資ができるのは「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「ジャスダック」の4つ
・ 「東証一部・二部」に上場している企業はほとんどが有名大企業
・ マザーズは新興企業、ジャスダックは歴史ある大企業の多いベンチャー企業向け市場