もし始めるのなら、どんな事から始めたらいいのか知りたいなぁ。
それなら、まずはそれまでの背景を知っておく必要がありますね。
資産運用の必要性
皆さんもすでにご存じでしょうが、2022年4月から高校の家庭科や公共の授業の中で「資産形成」の内容にも触れられるようになりました。
これは「資産形成」という話が、私たちの生活の中で重要になってきているという事。
そして、自分たちの大切なお金を超低金利の預貯金にずっと眠らせるのではなく、それを元手として積極的に運用していく「資産運用」が必要になってきたという事ですね。
でも、どうしてそんな学生のうちから「資産形成」や「資産運用」の事を学ぶ必要があると言われ始めたのでしょうか?
時代を少しさかのぼって、そうなった背景を見ていきましょう。
貯蓄でお金が殖えていた時代
高度経済成長期を迎え、日本が先進国へと駆け上がっていた「昭和」の時代。
お年玉をもらっても「無駄遣いしないで貯金しなさい!」なんて親に言われ、銀行や郵便局に預けていた人も多かったのではないでしょうか?
それもそのはず。
この頃の「貯蓄」と呼ばれるお金は、高い金利のおかげで「ただ預けているだけ」なのに、約10年で2倍近くも殖えていっていました。
銀座で豪遊、いわゆるバブリーな言葉が流行ったのもこの時代。
まさしく、順風満帆な経済情勢だったと言えるでしょう。
迎えた超低金利時代
ところが90年代に、状況は一転します。
バブル経済は崩壊のため、地価や住宅価格の急落などにより不良債権が拡大し、大手金融機関も次々と破錠に追い込まれる事に。
戦後初のマイナス成長を余儀なくされ、日本銀行はゼロ金利政策を慣行。
これ以降、低金利時代の幕開けとともに、金融機関へ「ただお金を預けているだけ」では、貯金は増えなくなってしまいました。
日時 | 平均年利率等(年%) |
2006 | 0.2 |
2008 | 0.05 |
2013 | 0.02 |
2017 | 0.001 |
2021 | 0.001 |
※日本銀行のデータに基づいて作成
抱える将来の不安
こうした低金利時代に加えて、気にかかるのは将来の「年金」の話。
そもそも日本の年金制度は、基本的に今の現役世代から集めた掛金を今の年金世代に渡す仕組みになっているんですね。
ところが日本では「少子高齢化」が急速に進んでいるため、現役世代が減っていき、年金生活者を支える事が難しくなってきています。
2015年 | 2040年 | 2065年 | |
人口比率 | 2.1(約1億2,710万人) | 1.4(約1億1,092万人) | 1.2(約8,808万人) |
※「日本の将来推計人口」をもとに作成
しかも老後の時間が長くなってきているので、老後の生活費を年金だけに頼るのは難しいと言わざるを得ません。
実際、老後の生活について不安を抱える人は、どんどんと増えてきていますね。
自分の将来を自分で考える時代へと変化
「貯金だけではお金は増えないし、老後の生活を年金だけに頼るのも不安…」
こういった時代でも、結婚や子供の誕生、住宅の購入、子供の教育、老後…といったお金のかかるイベントはあります。
たとえば、婚約・結納から新婚旅行までにかかる「結婚費用」の平均は494万円。
幼稚園から大学まで「子供1人にかかる学習費」は全て私立に通った場合で2500万円程度。
「夫婦2人がゆとりのあるセカンドライフを送るために必要な生活費」の平均は月額約36万円、といった調査結果があります。
だからこそ「いつ頃に、どんなイベントが待ち構えているのか?」「このイベントにはいくら費用が必要で、その費用をどうやって用意していくか?」を考え、それに備えてお金を作っていく「資産形成」の必要性が増してきているワケなんですね。
つまり、自分の将来を自分で考える時代へと変化しているんです。
そして大切なのは、お金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、そのお金を元手にしてお金を殖やす「資産運用」の考え方です。
要は、"自分のお金に働いてもらおう"という事ですね。
世代別資産運用の考え方
資産運用の方法は、個人の年齢やライフステージによって異なります。
ここでは、それぞれのライフステージに合った資産運用の考え方を見ていきますね。
若い世代
若い世代は、収入がさほど多くない代わりに、自由に使えるお金の割合はかなり高い時期です。
ただ、これを全て使い切るのではなく、いつか必要になるであろう結婚資金や住宅購入費などの将来に備えた資産作りを心掛ける事も大切。
若いうちから運用を始めれば、長期的な運用も可能ですし、ある程度のリスクがあったとしても積極的に値上がり益を狙う投資信託を選ぶ事もできます。
この世代でしっかりと資産形成できているかどうかで、この後の展開が大きく変わってくると言っても過言ではありません。
働き盛りの世代
働き盛りの世代は、子供の出産や教育・住宅ローンの返済など支出が多い時期です。
毎日の支出に追われがちなのですが、子供の将来や自分の老後のための準備も忘れてはいけません。
そのため、資産を効率的に殖やす工夫が大切になります。
特に、安全性を重視して長期的に殖やす投資信託を組み合わせる事をオススメしたいですね。
セカンドライフが間近な世代
セカンドライフ間近の世代は、仕事的にもそれなりの地位に立ち、子供の育児や住宅ローンなども落ち着いている時期です。
仕事を退職した後も限られた年金収入と貯蓄で、より充実したゆとりあるセカンドライフを送るために、資産を安全に管理していく工夫が大切です。
毎月の生活費やレジャー・趣味などの必要資金を把握して、そのうちの余剰資金から安全性を重視した資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。
資産運用と投資信託をする前の基礎知識
それでは資産運用の必要性が理解できたところで、事前準備として資産運用と投資信託をする前の基礎知識を身に付けておきましょう。
資産運用を始める前に確認しておく事
すぐにでも使う必要のあるお金は預貯金でキープしながら、当面は使う予定のない余剰資金を運用に回す事がポイントになります。
少し質問形式にして確認しましょう。
数%の利回りが、数年後には大きな差になる
資産運用の考え方は、複利の効果と切り離す事ができません。
元本のみに利息がつく方式は単利と言います。
投資信託で始める資産運用
「もっと手軽に分散投資をしたい」という人には?
まとめ
・ 資産形成の背景は、自分の将来を自分で考える時代へと変化したから
・ 資産運用の方法は、個人の年齢やライフワークによって異なる
・ 資産形成を行う前の基礎知識はしっかりと身に付けておく
・ もっと手軽に分散投資をしたいなら投資信託がオススメ